スタジオの花壇にいつも花が咲いているように心がけています。自然は同じものが一つとなくとても五感を刺激するものだと思います。特に花にはプラスのエネルギーを感じ、多くの人を和ませ笑顔にさせてくれます。
この人参の花に似た白いオルレアは、とても育てやすく秋に種まきをすると6月頃に必ずレースのように咲き誇ります。バラなどの脇に植えると、かすみ草のように優しく周りを引き立てます。
種は、その可憐さに似合わずトゲトゲでよく手に刺さり痛い思いをしてしまいます。でもそれでも美しい初夏を想像して、また撒くのでしょう。
オルレアには特別な思い出があります。居宅支援サービスで働いていた頃、先輩たちはいつも花を丁寧に育てていました。女性3人の先輩方はもちろん花だけでなく、仕事も、教養も、思いやりも、多くのことが丁寧で美しい所作だったと思い出されます。少々ガサツなところがある私はとても勉強になりましたし、日々目標となることばかりでした。
ある日、その中の一人の先輩が袋いっぱいにオルレアのタネをくださいました。なかなか仕事が覚えられず不安だった頃、そのタネを手に持ち、翌年の開花を夢見てどれだけ心が和んだかわかりません。
私は毎年毎年このタネを植えたい。そしてタネが欲しい方がいたら私も袋いっぱいあげたいな、そう思いながら育てて数年が経ちました。単純に、育てやすいという理由もありますが。
その時に得た知識や経験を今生かせているかな?変わり続ける世の中で途切れず、ずっと続けていくことの難しさ、それでも規則正しさを描き調和し生きれる人の魂の強さ=知性。
場所は違っても今、南風の中のオルレアが白く光っては消えてしまい、今年も優しく切なく記憶が蘇ります。
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